オープニング、男女の会話で始まるのですが、真っ黒な画面がずーっと続く。で、人間の瞳のドアップがあり、カーテンや風に揺れる木々が映り、主人公のジェームスが動揺している様子が映る。
ここ結構長くて「なんなんだ?!」って思っていたら、ジェームスは盲人だったのに、突然目が見えるようになったらしい。
そっか〜、なんか分かる!って思った。
奥さんと息子はすごい喜ぶんだけど、私は「奥さんのこと見て幻滅したりしないのかな」って思った。だって、頭の中で描いていたイメージと違うかもしれないじゃん?
家も、壁紙がワサワサと忙しい家で、「こんなところに住んでるのか!」とか思わないのかなあとか。
と思ってたら案の定、ジェームスは自分の外見を気にし始める。不動産屋のコールセンターの仕事もバリバリするようになり、単なる電話対応から企画に昇進する。
奥さんを高級レストランに連れて行くが、奥さんは目が見えるようになってからのジェームスが苦手になる。
で、奥さんと揉め始めるんだけど、その時の会話を聞いていると、ジェームスは盲人の会のようなもので奥さんと出逢ったらしいんだが、奥さんは「あなたは惨めそうに見えた。だから助けて上げたかった」と言う。
ジェームスは、不動産の売買の成績を上げるために、教会の集まりを利用して、仕事が無くて貧乏な人に「借金から抜け出す方法」というセミナーを開き、集まった貧乏な人たちに自宅を売るように促す。
この人達が借金をしているのは仕事がないからで、自宅を売って借金を返したところで生活が上向くわけではない。つまりジェームスは教会に来るような信心深い人たちを騙して金儲けをするような嫌なヤツだったと。
iMDbではこの映画あんまり評判良くなくて「ジェームスが目が見えるようになっていきなり嫌なヤツになるのがあり得ない」とか「目が見えるようになったら普通、動物園に行ってみたいとか思わない?」とかって意見があったけど、私はジェームスの気持ちが痛いほどわかったけどなあ。
ジェームスは目が見えない時、常にお祈りしていて、それが「神様、この生活を与えてくれてありがとうございます。全てに満足しています。」みたいな内容なんだけど、この人本当は目が見えないことが惨めでイヤだったんだろうなって思った。なんかどうも、最初から目が見えなくて生まれてきたわけではなくて、少年の頃脳の腫瘍かなんかが原因でだんだん見えなくなってきたらしい。
それは辛いわな。最初から見えなければまだ「こういうものなんだ」って受け入れられるかもしれないけど、見えたものが見えなくなるって言うのは。
私はジェームスが神様に祈っていたのは、「自分はこの運命を受け入れる」って自分に言い聞かせていたんだと思う。
しかし、現実社会で目が見えない人はどういう職業に就けるのかな?って考えた。コールセンターの仕事だって、もし契約取れるってことになったらメモとかしなくちゃいけないんじゃないの?確かに、契約取る段階になったらそっちに電話回しておしまいかもしれないけど、そういうのだとなかなか契約取り辛いよね。
だからまあ、ジェームスは嫌なヤツだけど、元々上昇志向の人だったのに目が見えなくなることで甘んじていた、彼の思う「惨めな生活」から抜け出せる「チケット」が貰えたんだから、一気に進もう!って思ったのを私は責める気にはなれませんでした。
んだけど、また目が見えなくなったりしたらどーするんだろ?って思いながら観ていたんだけど・・・・続きはコメント欄で!