わお!!すごい緊張感のある映画!!!
連続殺人犯エドワード・ウェイン・ブレイディの死刑執行日の朝、精神科医Dr. ジェームズ・マーティンは、エドワードの最終精神鑑定をしにオクラホマの死刑囚監房にやってくる。
精神異常と判断されると死刑は執行されず、エドワードは精神病院に送られることになるので、この鑑定は大事なのだが、前任者のDr. フィッチャーはエドワードにインタビューした後自殺したためにジェームズが代役となった。
刑務所長のモスはジェームスに「エドワードは人を操るのが上手いから気をつけろ」と警告する。
インタビューでエドワードは「自分はエドワードに取り憑いている悪魔だ」って告白するんですけど、無神論者のジェームズが一笑に付すと「無神論者だからって取り憑かれないわけじゃないんだぞ・・・」って言うんだけど、ガチで怖い!!!
ちょうど『ツイン・ピークス』を再観したばっかだったのですが、ボブに取り憑かれたリーランド・パーマーが捕まった時と同じくらいの衝撃とリアリティがあって、このインタビューのシーンすごい緊張感。
この連続殺人犯を演じるショーン・パトリック・フラナリーって人がすごくて、「誰この人?」ってあとでウィキペディアで絶対調べちゃう!ってくらいの名演技。
題材がクリスチャン・ベースだからって大バッシングを受けた作品だったので興味があったんですが、通常クリスチャン映画ってめっちゃ安い作りなのであまり期待しないで観たらなんの、なんの!!オープニングのシーンからセットもちゃんとしているし、ストーリーの流れやペーシング、ダイアローグ、演出、全てが、低予算なのは解っちゃうけどちゃんとしていて、俄然観る気になる。
監督・脚本も誰なんだ?!って調べたけど、クリスチャンの映画ばっか作っている人たち。
しかしだからといって映画作りの才能がない訳では無い。
ただ「クリスチャン・ホラー」とレッテルを貼られているので、ホラーを期待したら裏切られるかも。
私にとってはおっかなびっくりホラーよりよっぽど怖かったけど。ショーン・パトリック・フラナリーの名演技で、エドワードという死刑囚に悪魔が取り憑いているという設定に納得させられるので、バカにして信じていないジェームズが、「本当なら、俺に取り憑いてみろ!」とかって笑いながら言っているのを見るとハラハラする。
エドワードって人は悪魔に操られて人を殺したり悪いことをさせられ、罪の意識に苛まれて壊れている。これが、『ツイン・ピークス』のリーランド・パーマーでもすごいズッシリ来るテーマだったんだけど、同じくらいの重圧を持って迫ってくる。
しかも悪魔は、エドワード自体が傷付くことも楽しむ。刑務所で他の囚人からリンチされたりするときは正気に戻して痛みを感じさせる。死刑も、あえて電気椅子を選択する。
電気椅子の死刑ってすごい辛いらしく『グリーンマイル』でも描写があったけど、こちらも胸が痛くなる。刑務所長モスが「死刑囚監房に入れられて、自分のしたことをじっくり考えた後、犯罪者はここに入ってきたときと全く違う人間になっていて、死刑にすることが可哀想になることがある」と言っていたけど、確かにそう思った。酷いことをした犯罪に相当するような罰が死刑である可能性はあるんだけど、誰かを本気で「苦しんで死ねばいい」って思うことがイヤだなと。
エドワードはジェームズに「お前はこのインタビューを終えるまでに3人の人を殺す」って言うので、「誰?!エドワード、ジェームズ、と誰か?!」とかってすっげーハラハラするんだけど、まさかそっちの方に方向転換していくとは思わなかった!コメント欄で!!