田舎の女性教師が演劇の大会に3人の生徒たちを引率する。
ストーリーはそれだけといえばそれだけ。
普段一緒のクラスにいるだけでは、実はお互いのことはよく知らないけれど、その数日の旅の中で、それぞれが見せていなかった悩みや弱さが垣間見えて、支え合ったり、旅のおわりには、距離が縮まっている。
でも、そんな生徒たちと触れあうことで、実は1番心の壁が薄くなったのは、本音も弱みも見せなかった教師の方。
ここに出てくる人物と同じような悩みを持ってる人は、掃いて捨てるほど居そうだし、なんてことない話。
なのに、どことなく作品全体にエモーショナルな空気が漂うのは、少年だけど男の面も見せる、シャラメ演じるビリーの持つ雰囲気のせいなのか、それとも、社会的にも弱々しく見える子供たちの方が、案外鋭く急所をついてきて、大人になって固くなった心が、ハッとさせられるからなんだろうか…