私ミュージカル版のエリザベートがとても好きなので、こっちはどうかなって観てみたかったんですが、上映時は叶わず...
U-NEXTに来たんで早速観てみました。
実際オーストラリアとハンガリーには行ったことあるんですけど、本当に愛されているんですよね。
世界中から宮殿に観光に来て(美しいです...)彼女の象徴、シシィスターのグッズをお土産に買っていく。
そんなシシィことエリザベート、当時にはほぼ居なかったであろう、自由人。
とても宮殿や決まったルールに収まる人ではありません。
彼女の物語が人気なのは、その自由さと情熱のままに人生を生ききった(貫ききった)生き様と強さによるものだと思うのですが、同じ女性として羨ましくも、しんどくもなるというのが本音です。
コルセットが現実的かつ象徴的に出てきては女性たちを健康を損ねるほどに締め付け、体重や年齢や美貌への執着、それがなければ価値がないと言わんばかりの盲信(でも実際男性からはそれを当然と扱われてたんでしょう)に囚われる姿にとても苦しくもなります。
だからそこを跳ね除け自分の意志でズンズン歩いていくエリザベートに夜の人々は希望を見出し、彼女を愛するのでしょう。
でも同時に個人的には、「自由には簡単になれない人たち」、夫のフランツや子供たちに同情もしてしまいます。
むしろ「自由になってはいけないのか」っていう権利もあるだろうけど、「自由にならない自由は無いのか」と思ってしまうのです。
そっちの人だって自由に出来たら楽だとは思ってるかもしれないし。
でも考えの末、そちらをよりベターと思って選択してるのかもしれないし。
我を通すのは良い。
違う個性はあって良い。
でもその為に他者に自分に合わせて欲しいと望み、それをしてくれない相手にはあからさまに冷たく当たる、他者の我を蔑ろにするのは、自分がされて苦しいことを相手に強いているのと同じこと。
自分と違う考えを受け入れたくないのはあなたも同じ。
人の事責められないと思う。
なんか逆ハラスメントみたいに思っちゃうんですよね。
そんなわけで、ミュージカルの時ももれなくそうなんだけど、この映画でも同じモヤモヤとイライラは感じてしまいました。
結局エリザベートその人の物語でなくて、音楽とか当時の雰囲気が好きなんだな、私。
...と再確認したのでした。笑
ラストは...(史実では暗殺なので不慮だったけど)本人的にはスッキリハッピーエンドなのかもしれません。
結局最後まで自分の思う通りに通したんだから。
とにかくイラッとしたってことは、それだけ熱演のシシィだった、それは確かです。