確かにこれはクセ強映画。
ミュージカル仕立てだからのっけから楽曲全開。
最初スタンダップ・コメディアンであるヘンリーを表現するがごとく、ちょっとわざとらしいまでのメロディ。
次のアンのパートでクラシカルになって、なるほどこういうふうに音楽でキャラを表現してるんだとわかったけど、冒頭のやややり過ぎ感で「これ映画にするもの?ミュージカルだっていうし、最初から普通に舞台でやるんじゃダメだったの?」なんて思ったりもした。笑
結局これは人の孤独の物語なのかな。
格差婚の話でもあるんだけど、成功するしないを横においても、2人に共通するのは「孤立」の哀しみ。
アンのは優秀であるが故に周りには理解されない「孤高」で、ヘンリーの場合は身を削ってまで笑わせることで相手を振り向かようとする「孤独」。
形は違うけど、2人を繋げたのは「孤独」だったんだと思う。
そこを超えられなかった2人の間に生まれたアネットは最後自ら「ひとり」を選ぶ。
でも誰かに振り回されることなく自分の意志をもち、操り人形から、親とは関係の無い、1人の人間であることを選ぶためのポジティブな「孤独」。
そう考えると、別れを告げられたヘンリーの孤独は、遺伝子として受け継がれたアネットに拒絶によって救済されたとも言えるのかな。
なんだか不思議なおとぎ話。