このレビューはネタバレを含みます
何食ったらこんな物語作れるんだってほど面白くてあっという間だった。内容を紐解くと根源は「異能者の少年の暴走によるスリラーもの」というシンプルなものなんだけど、中盤までの導入が物凄い独特で全く本質に辿り着かないあたりがめちゃくちゃ面白い。全員ウリセスの顔になっていく不条理で笑ってしまう不気味さ、それが全てイグナシオが原因だったと辿り着くまでの過程。さらにウリセスの顔さえも実は本物ではなく、人形こそがこの顔の中心だったというオチ。人間はすぐに慣れてみんな個々の顔を見分けられるようになるが、高次元の生物からすると同じ顔、というのも面白い。ほんと凄すぎる。