TAK44マグナム

キックボクサー リジェネレーションのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.0
いや、あなた、いま目の前で殺人が行われましたけれども?


さてさて、なんて言ったって年度末なんでね、ヴァン・ダム続きでいきますよ!
特に意味は無いんですけれど、「キックボクサー」のキモいヴァン・ダムダンスがエンディングでまたまた見られるというのでリメイク作品の「キックボクサー・リジェネーション」も観ちゃおうってわけです。
たしかに見られる!しかも主演俳優が真似しとる!
なんぞこれ!?

「キックボクサー」のリメイクという事で、ストーリー的にはあまり変わりばえしません。
基本は同じで、空手チャンピオンのエリックが悪いプロモーターにだまされ、無敵無敗のムエタイ戦士トン・ポーに殺されちゃいましてね、弟のカートが復讐のためにムエタイを習います。
カートが師事するのがヴァンダム演じるデュラハン。
この人が謎すぎて、何者なんだかよくわかりません!
なんでヨーロッパ人がタイでムエタイ教えてるのか?
その背景は全く語られず。
とにかく、この鬼コーチが「ココナッツ!ココナッツ!」とココナッツを肘打ちで木っ端微塵にしながらムエタイを主人公に叩き込むのです。
オリジナル版と同様、この特訓シーンが長い。

で、色々と面白訓練を続けているうちに強くなったカートは、トン・ポーの道場にカチコミをかけ、挑戦状を叩きつけるのでした!
正直、このカチコミのシーンと留置場を脱走するシーンが一番面白かったですね。
けっこうアクロバティックな後方回転キック?とか魅せてくれて楽しめました。
「あしたのジョー」のハリマオみたいな動き!
カート役の俳優さんはウルヴァリンのダブルやってる人で、つまりはヒュー・ジャックマンの代役でアクション担当している逸材なわけですが、動き自体はキレもあるし派手な動作が映える人。これで華があれば尚良いのに惜しくもスターっぽいオーラが感じられませんな(汗)。
原石なのかどうか?

ちなみに、留置場を出る時にちょこっと出てくるオッサンは、オリジナル版でトン・ポー役だった俳優さんらしいですよ。
そういうお遊びもあります。

しかしまあ、脚本が雑なのか何なのか分かりませんが、いまいち不明瞭な部分が多すぎるし、登場人物の行動で明らかにおかしいところがあったりするのはどうかと。

最初にトン・ポー道場で門番してたヤツが何故か仲間になるんですけど、あまり必要性が感じられず。あいつ、最後、腕が怪我しているみたいだったけどなんで?

プロモーター役のジーナ・カラーノなんて本当に大して意味がないんですよね。
せめて女性捜査官(←ヒロイン)とキャットファイトするとかあれば良かったのに。
何もアクションやらないまんま、訳もわからず逮捕されて退場だなんて・・・チャニング・テイタムやユアン・マクレガーを瞬殺したジーナ・カラーノなのに!
それは別の映画だけども!

あと、一番びっくりしたのが、カートと女性捜査官が一切の描写も説明もないまま男女の関係になっていたことです!
いきなり濡れ場があったりして、???で頭の中がいっぱいになりましたよ。
おまえら、いつ付き合うことになったんだよ!?
このヒロインは、マジで何考えてるのかよく分かりませんでした。挙げ句の果ては警察の職務を外れた行為をしだして、下手したらこの人が逮捕されかねない勢いなんですけれど(汗)
というか、この捜査官とカートは何故に捕まらないのか?
カートなんて脱走犯なうえに完全に殺人犯だし、それを見ながら止めないどころか大喜びしている捜査官もヤバいじゃないですか。
オッパイはプルンプルンとしてましたがね!

他にもたくさん、明らかにおかしな要素が盛りだくさんなのですが(ムエタイの試合のはずなのに剣が使用可能だったり)、何度もヴァン・ダムのファイトシーンがある事や、トン・ポー役のバウティスタの貫禄あるマッスルボディなど観るべき点もまた多いのです。
ヴァン・ダムのすっとぼけた感じはそれはそれで謎の師匠ぽくて良いし、セコンドとしては何ら役にたってないような気がするのもヴァン・ダムらしい(苦笑)。
バウティスタは、ある意味ヴァン・ダム以上によくわからないキャラクターを威厳ある風に演じておりまして、役者として好感が持てた次第。
いまやビッグバジェット作品に名前を連ねるスターですからね!
壮絶な最期が何故か笑えるし、やっぱり威厳なんてなかったかも!


オリジナル版はシンプルなので驚いたものですが、本作は余計な要素を半端に取り入れた事に驚くというか、ツッコミを入れているうちに終わっている映画でした。
監督の他作品だと、やはりジーナ・カラーノが出ている「ブライドウェポン」も観ましたが、どうにものらりくらりとした印象を受ける演出でして、すごく平板なんですよね。アクションも迫力だそうとしているのかどうかよく分からなくて、演者の頑張り次第になっちゃっている感が強い。

しかし、お茶目なヴァン・ダムが近年では一番動けているような気もするので、大して面白くはない映画ですがヴァン・ダムが少しでも気になるならオススメしておきましょう!


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