【ただバカンスにきただけなのに…】80点
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監督:フィル・ヴォルケン
製作国:アメリカ
ジャンル:犯罪・スリラー
収録時間:109分
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これは中々面白い。掘り出し物新作と思います。単なる遭難モノと思いきやその予想の斜め上をいくクライム、スリラーモノでもありました。余計な副題や宣伝文をつけすぎな気もしますが、テンポがよく中々の怒濤の展開でしたので個人的には気に入りました。
妻と幼い子とカリブ海にバカンスにきた医者のケビン。彼は子どもを喜ばせようと、非正規のボートを借りて船旅にでるのだが。。
かなり序盤で遭難します。しかし、『キャストアウェイ』のようなガチンコサバイバルかと思いきや全然違いました。割と早くに発見されますがここからが中々の展開です。思えばカリブ海で漁をしている人も自分の生活で精一杯。リゾート地からきて遭難、家族づれとなれば悪しき欲求が働いてしまうのも些か仕方ないか。この苦々しい男を演じたのが『キャプテンフィリップス』の海賊としても活躍したバーカッド・アブディです。彼の痩せ具合は良い意味で効果的。彼にも正義はある。守りたいものがある。そのためには平気でこういうことをしてしまいます。人間というのはずる賢い生き物です。
さて、このバーカッド・アブディも相変わらず素晴らしいのですが、本作はなによりも主人公ケビンを演じたアイオン・ベイリーの存在が際立っています。家族を救うためなら、周りの人に騙されても、疑われても動きまくる。機転は効くが悉く運がなく、武術に長けていない『96時間』のリーアム・ニーソンを彷彿してしまいました。そして、本当に最初から最後まで運がない。船を借りる相手もミスってましたし、家族の保険金目当てでこういうことをしたと疑われますし。。ところでお金に困った連中がそういう方法で保険金を狙うのだなということも仄めかされました。常に疑う心を持ち続けなければならない警察も大変なものです。
とにかくこの父親は面白いくらい動き回る。ガチンコサバイバルを期待して見ると拍子抜けかもしれませんが、テンポが良いのでこれはこれで面白いと思われます。ただバカンスにきただけなのに。。人生何が起こるかわからないものです。大作とまではいきませんが隠れたオススメです。てかダニー・グローヴァー『2012』以来でした。
