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ディア・ライフのくりふのレビュー・感想・評価

ディア・ライフ(2016年製作の映画)
3.5
【とある印度女子のお悩みジャーニー】

ネフリにて。『マダム・イン・ニューヨーク』の監督による、2016年のインド映画。

アーリアー・バット目当てで予備知識なく見始める。相手役がシャー・ルク・カーンで、歳の差ラブ話だったらヤダなあ…と思ったが、おじさんはアーリアーのサポート役に徹していたので助かりました。最後、美味しいトコ持って行こうとはしていましたが。

ヒロインはあるお悩みに振り回され、仕事も行き詰まってしまうが、偶然知った、風変わりなセラピストと関わるうち、変化が始まって…。

映像演出としては素晴しく、アーリアーも魅力的。が、そのアーリアー力で乗り切った感じ。だって、大騒ぎするほどの物語じゃないから。

本人にとっては大ごとだとわかるけれど、ここまで恵まれた家庭で育ててもらって何言ってんだ、というのがベースの感想。もっとひどい目に遭う子供なんて、星の数ほどいるわけで。

まあ、それを言っちゃぁおしまいで、映画の多様性も失いかねないから、彼女の境涯に合わせ相槌を打つのが、本作の乗り方なのでしょう。

アーリアーは溌剌として、我儘が嫌味に転ばぬ程に可愛らしい。多彩な表情を見せてくれますが、それがなければホント、しんどかった。

シャー・ルクはいつも通りだが、のど越しスッキリな個性で通して、悪くないです。でも、このセラピストって、こんなゆとり運営で商売になっているなら、治療費いくら取ってんだろ?怪しい…(笑)。

歌って踊ったところで悩みは解決しない。インド映画のヒロインも、ちゃんとフツーに悩んでいる…ところに絞ったアイデアがいい。

…そう狙ったワケじゃないのもわかるけど、本作の魅力はそこでした。

終わってみると、タイトルはとてもいい、と気づけました。

あ、ゴアってやっぱり、いい場所ですね。

<2019.8.20記>
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