Kuri

三度目の殺人のKuriのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.0
裁判劇ではあるけど、事実を争う話ではない。メインビジュアルにある雪の山と、全体に流れるキリスト教的な世界観から、是枝監督作品の中では"ディスタンス"を思い出しました。

ガラス越しに向き合う二人の男、犯罪者が真実を問いかけてきながらガラス越しに表情が重なる描写はあえてありがちな手法を選びながらも外すことなく完璧にやりきっているし、三人がそれぞれに自分の家族を重ね合う展開の手際良さには声を上げてしまいます。

役所さんにも福山さんと同じような軽さ、つまりパッケージになり得るポップでチンケな感じがなんとなく纏わりついていて。だからこそ、ただの入れ物として投影者の感情を移す鏡みたいな役にぴったりであることを、90年代中盤での黒沢清作品ぶりに思い出しました。

あと、市川実日子さんが出てるのですが、シンゴジラでのあの感じです。
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