のnきち

三度目の殺人ののnきちのレビュー・感想・評価

三度目の殺人(2017年製作の映画)
4.0
新宿ピカデリー シアター8 F-11
(見易い位置でした)
この作品は実は二度目の鑑賞。
仕事帰りの疲れた状態で、一度鑑賞したのだけれども、ほとんど眠ってしまった。。。
重く、背筋も凍る物語だが、話は淡々と進むので、体力万全な状態で観るのをオススメします。

真実は、司法とは何なのか。
人間が人間を裁くという行為は慎重に行われるべきだと思うが、証言の印象だけで進む裁判の不条理さ。
この作品を観ると、人の疑わしさを思い知らされる。
結局誰が犯人で何が真実なのか?
モヤモヤした気持ちになった。

人物描写に見応えあり。
是枝監督の撮り方、キャスト陣の演技。
鑑賞後、思わずため息が漏れた。

登場人物が魅力的。

役所広司が良い仕事してる。
魅力的に三隅を演じている。

三隅(役所広司)のコロコロ変わる発言に、
翻弄される重盛(福山雅治)。
最後のシーンは、まるで魔術師にハマってしまうかのような福山雅治の演技が良かった。
カメラワークも、それを意識したのだろうか。
このシーン、個人的に好き。

個人的に印象に残るのは〝鳥〟
飼っていた鳥の話をする三隅。
役所広司の手の動きが生々しくて気持ち悪い。
十字架の意味も考えさせられた。
留置所で鳥の声に反応する三隅。
愛情を持って飼っていたことを窺わせる。

重盛の娘の件は、咲江(広瀬すず)の件に伏線を張っているが、広瀬すずをキャスティングしたのは正解。
思わず咲江の発言に疑いの目を向けてしまう。
「怒り」でも感じたことだけど、今後どんな表現をしてくれるのか、期待値が上がった。

今でも、モヤモヤ感は拭えず。
繰り返し観ることで、何かを発見出来るのだろうか。それさえもモヤモヤする。
でも、また観たくなるような作品。
のnきち

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