かなり面白かったです。
司法について、人を裁く事についてや、そもそも人を裁く人を決めるのは?
これを言ってしまうと身も蓋もないが、曖昧で身勝手な理由で人が裁かれていると思うと恐ろしい
司法の舟に乗っている人達は恐らく平衡を保つために強い正義感、自負心をもとに気持ちをすり替えたり言い訳したりしながら矛盾と向き合っているんだと思います
真実が何なのか、どこにあるのかが分からないのがこの映画の最大のメッセージであり、
それに翻弄される登場人物、そして観客。
現実的に量刑を軽くする事が正義なのか真実を掘り下げる事が正義なのか、
折り合いを付けながら勝ち続けてきた重盛が三隅に、そして被害者母娘に向き合う事で翻弄される様、そして自分の本質、家庭事情を重ね合わせる事で揺れ動く様を、
日本屈指のイケメン福山雅治さんが見事に人間味溢れる形で演じていました。
この映画の凄いのは、これだけ本格的サスペンスなのに決してシリアスでなく、人間味故のおかしさもあるし、答えが見つからないとしても向き合う事の大切さ、信じる気持ち。
揺れ動く事、翻弄される事が悪い事だとは思わなかった
福山さんが演じることで感情移入できるし好感すら抱いた。
市川実日子さん、吉田鋼太郎さん、満島真之助さんの人間味も良かった。
役所広司さんの絶妙な演技、ハッキリ言って真実が全く分からなかったです。
広瀬すずさんもこの空気感を出せるの凄い!キラキラした役も好きだけど今回の演技観て幅広くできるんだろうなと容易に想像できます
映像が美しく、少ない音楽も素晴らしかったです
今作を観て是枝監督の素晴らしさ(語れる程理解はしてないけど、笑)を感じたし、こういう作品をまた作って欲しいと強く思います。
重盛が最後の接見で不意に流した涙の意味を考えたい。
観ながら色々と思いを深めることができる素晴らしい作品でした