シマクマ

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれたのシマクマのレビュー・感想・評価

3.7
ボストン在住の主人公ジェフは
別れた恋人のエリンとよりを戻す為に彼女が出場するマラソンの会場に行く。
だがゴール地点近くで爆破テロが起き彼は両足を失ってしまう。
意識を取り戻したジェフは警察に協力し
ジェフの証言をもとに犯人が特定されると一躍ヒーローとして脚光を浴びるのだが・・・という実話に基づいた話


(ここからネタバレ)
副題の「ダメな僕だから英雄になれた」
から主人公がいかに努力して義足で歩けるようになったかを感動的に伝える内容かと思ったのですが違いました
確かに義足で歩くよう努力していくシーンもあるのですがそれより主人公のダメっぷりを見せつけられます
まず事件が起こる前からの話で勤務先で失敗しても後片付けをせずに帰宅していくシーンから始まり
事件後も酔って風呂場で便まみれになって寝て恋人に介抱されるシーン
あろうことか恋人から妊娠を告げられると喜ぶどころか絶望した顔をして子育てを拒否するシーンなど

では何故このような内容にしたのかなと考えたのですが
実在のジェフさんは世間からヒーローや聖人のように奉られ尊敬される手紙を貰ったり対話をすることに気後れし精神的に苦痛になっていた(実際それらしきシーンがある)ので
自分を題材にした映画を作るなら自分のダメな部分を赤裸々に見せ他の人と変わらない人間であることを知ってもらいたいのかなと思いました
また恋人のエリンさんが主人公の母親に嫌味や妬みを言われながら献身的に主人公を介護し またそれに苦悩するシーンが多々あったのですが
これはジェフさんがエリンさんへの言い表せない程の感謝や申し訳ない気持ちをこの映画に入れたかったのだと思います
主人公に不快を覚え駄作と感じる人も見方を変えると悪くないと思えるんじゃないかな
自分はそう解釈しました
シマクマ

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