羅生門のヤズカシバドのレビュー・感想・評価

滑稽で奇妙な映画だった。最初から最後まで一貫して描かれる人間のエゴと虚栄心は虚しくも可笑しい。多分、本作においては何が真実かは重要ではなくて、この人間のわちゃわちゃしてる感じを描くのが目的なのかなと思った。最後の締め方はそこに結びつくのかとびっくり。そして何よりも画の圧力がすごい。三船敏郎をはじめとする出演者は勿論なんだけど、撮り方の角度というか空間に使い方がすごいなあと思った。あとBGMの使い方も、最小限で効率的に入れている感じがしてすごい。他の黒澤監督も是非観てみたい。