ノラネコの呑んで観るシネマ

海辺の生と死のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

海辺の生と死(2017年製作の映画)
3.2
太平洋戦争末期の奄美。
島に駐屯する海軍特攻艇部隊の隊長と、島の小学校教師の刹那的な恋物語。
ヒロインを演じる満島ひかりが、圧倒的に素晴らしい。
これは彼女の映画だ。
直接的な戦争描写は殆どない。
しかし、徐々に死の予兆が忍び寄るなか、二人の愛は燃え上がる。
真摯に作られた作品だと思うが、正直映画としては退屈だ。
全てのシーンで、役者のアクションに対する相手のリアクションが異常に間延びしており、作為的で不自然過ぎる。
何度も「この人フリーズしてんの?」と思ってしまった。
155分もの長尺だが、これが普通の間の取り方なら、だいぶ短くなるぞ。
おそらく120分前後。
外界の戦争に対する、独特の島の時間を描きたかったのかもしれないが、方法論が間違っていると思う。
例えば、マリックの「シン・レッド・ライン」などを観ても、ベターなやり方はあった。
役者は良いし、平和な島が戦争の禍々しい影に包まれる、不穏な空気感は良く出来ているだけに、明らかに演出で失敗してるのは残念。