鰯

バトル・オブ・ザ・セクシーズの鰯のレビュー・感想・評価

3.8
豚とキャンディー

女子テニスの世界王者ビリー・ジーン・キング。賞金が男子の1/8にとどまる現状を打破すべく、彼女は女性テニス協会を設立する。一方、男子テニスの元世界王者ボビー・リッグスは、自らの再起もかけてビリー・ジーンとの対戦を持ちかける

何の予備知識もなく、この試合の存在すら知らず観に行きました。今知らない人は、知らないまま観に行くことをおすすめします。
ウーマンリブ運動として見始めたけれど、そこでこぼれ落ちてしまったものに焦点を当てているのに驚き。ラストでコートに戻る前の2人のやりとりには、ここからまだまだ長い戦いが待っているのだと感じました。

男性至上主義者のブタ、ボビーを演じたスティーブ・カレルを含め、男性陣には心底腹が立ちました。こんなに酷いことをマスコミを通じて、時には面と向かって話していた時代とその精神には、落ち込んでしまいました。演じた男性陣も苦労したのではないかと思います。特に全米テニス協会の会長が、半笑いで男性優位を論じるシーンはすごかった
ビリー・ジーンを演じるエマ・ストーンも良かった。男性陣から言われる「美しい」とマリリンから言われる「美しい」への反応の違いも面白い。

コミカルな演出も多く、こんなの実際にやってたのかよ、と笑えるシーンは多数あります。一方で、時代感のある撮影が見にくいと思う箇所があり少し残念。
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