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羊と鋼の森のazuのレビュー・感想・評価

羊と鋼の森(2018年製作の映画)
3.9
原作未読です。
冒頭で「羊と鋼の森」というタイトルの意味が分かり、映画の世界にすーっと入っていくことができました。ピアノってすごい楽器なんですね。何よりピアノ調律師のお仕事の奥深さにびっくり。私のようなピアノのことを全く知らない者から見ると、アップで映し出される鍵盤や部品(?)の一つ一つが珍しく、職人ものとしても興味深く楽しめました。

最初は頼りなかった外村(山﨑賢人)が、ピアノと向き合って葛藤しながらも自分の目指す調律に辿り着く成長物語です。特に大きな波があるわけではなくわりと淡々と進むし、セリフで説明せずに行間を読ます演出が多く見られたため、人によっては退屈に感じてしまうかもしれません。表情だけでは考えていることが読み取り切れず、少し分かりにくい部分もありました。

山﨑賢人くんはマンガの実写映画やってるよりも、こういう朴訥で大人しい青年役のほうが合ってると思いました笑
劇中で流れる曲が心地よく、特に上白石姉妹の演奏シーンは素晴らしかったです。

少しでもピアノと関わったことがある人が見たら更に響くものがあると思います。それによって評価も分かれるのではないかと。できることなら音響の良い映画館で見ていただきたいです。
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