次男

クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的の次男のレビュー・感想・評価

3.4
「密室劇」なんでひとはこの言葉にこんなに惹かれてしまうのでしょう?成功例の方が少なく、たくさんの失敗例を観てきたのに、飛んで火に入ってしまう夏の虫。
イグレシア監督の『スガラムルディの魔女』が強烈に面白く、この人が密室劇を撮ったらどうなるの…!と再生ボタンを押してみるも、もはや定型文のようになった「導入は面白い」「中盤から失速」「釈然としないラスト」を再び繰り返すことに。

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ワックワクのタイトルバックを経て、最初のカットがすごく素敵で、ちょうど『ブギー・ナイツ』のように1カットで登場人物を見せるやり方、「これみんな真似するべきー!」って思った。外に出た客が射殺されるという衝撃の幕開けでバルに閉じ込められた彼女たち。最初は本当に良い予感しかしなかったのだけど。

以降、画面はずっとやかましいし、なんだかんだと起きるのだけど、けっこうやかましいだけだったりする。既視感のある問答に、(僕が外人だからか)本気か冗談かわからない怒鳴り合い。なんでこう、結局追いかけっこに落ち着いちゃうかなあ。そんなんぜんぜん観たくないのに。

あと、聖書を引用する狂人って、彼で何人目だろう?

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主演のブランカ・スアレスさんがとても美しいのが、観てる最中のモチベーションになった。とても美しいし、ブラの線をずっと透けさせるの、あれ絶対わざとやろ!

彩度高めコントラストきつめなパキッとした画はカッコいいし、見た目に楽しい遊びもたくさんあったのだけど。

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こうやって、ある意味残念な心象になっても、僕はたぶんまた「密室劇」に吸い寄せられるんだろうなあ…。
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