次男

街の上での次男のレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.0
驚いたのは、この映画のことは好きだったが、この世界に憧れは抱かなかったこと。僕は歳を取ったらしい。

意味や山は、あるようでなくて、ないようであって。そんな曖昧なストーリーを許容させる、空気の切り取り方のうまさ。リチャード・リンクレイターの映画を観てるみたいだったなあ。なんて表現すると下北っぽい?描きたかったのは、こういう人たちがいる、この「街の上」に、ってことなのかなあ。新幹線に乗ったときに、すごい速さで街を通り過ぎく車窓、その家々を眺めながら、こんなにたくさん僕と同じように生きてる人がいるのかーと途方もない気持ちになる。みんなおるんだなあ。

今泉力哉is、と個人的に思ったのは、卒業制作撮影の後、二軒目に移動する面々と離れて二人になった主人公たちのシーン。一緒に行く?という空気が流れたときに、振り返るところだけ抜いた女の子のヨリ。ずっとヒキで見せてて、急にヨる、あのヨリ。キッカケは台詞じゃない。心情。うまいなー。惚れたもんなー。

そっかーこういうの観ても憧れとかなくなったかー。しゅんだなあ。願わくば、「良さもわからない」歳の取り方はしませんように。
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