MARUKO

火花のMARUKOのレビュー・感想・評価

火花(2017年製作の映画)
4.0
オープニングから雰囲気が切なくて泣きそうになった。あの臭さが心地いい。小説未読だが、又吉さんのワードセンスを強く感じる。正直あまり期待してなかったが、結構好きだった。

いわゆる“逆に良い”。画面から漂う安っぽい感じ、泥臭い感じがこの映画にはベストマッチ。いつもは毛嫌いしている説明くさい語りも、雰囲気からしておそらく又吉さんの小説の引用(?)。言葉がよくて味わい深い語りに感じる。小説のイメージを伝えるために敢えてそうしたのか、すごくよかった。菅田将暉さんと桐谷健太さんが素晴らしかった。いつかの福士蒼汰さんみたいに無理矢理関西弁をしゃべらせてないから、ナチュラルで、セリフのテンポがいい。感情的な演技にも何回も泣かされそうになった。彼ら以外に候補が見当たらないくらいベストな配役。
特別秀でた良さは正直見当たらないんだけど、全体的にあったかくてなんか好き。ラストステージも菅田将暉さんの全力を見て、鳥肌。(小説のぶつ切り感が少し強く出てて、飛び飛びにスキップしているように感じたのは少し気になった)
漫才に燃えていた頃は神のごとく見えてた神谷さん。今見るとまるで別人の神谷さん。でもほんとに変わったのは徳永。空回りはしてるけど、あの頃から変わってない神谷さん。燃えてた頃なら勢いでおっぱいにも笑ったのかな、と考えると切なかった。引退したことで空白に変わってしまった10年。でもそこに意味を見いだしてくれる神谷さん。みんなまだまだこれから!頑張ろって思える映画。
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