すずき

ハウス・ジャック・ビルトのすずきのレビュー・感想・評価

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)
2.5
やめとけ!やめとけ!
「ジャック」 xx歳 独身
仕事はまじめでそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男……
なんかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため
女子社員にもてるが
会社からは配達とか使いっ走りばかりさせられているんだぜ
悪いやつじゃあないんだが これといって特徴のない……影のうすい男さ
…60人以上を殺した稀代の殺人鬼、ジャック。
彼はどう生き、どう殺めたのか。
彼は謎の男に、自身の思い出を5つ語っていく…

スコアが低いのは、映画の内容や出来とは少し関係無くて申し訳ないのだが…
カメラワークがブレブレ過ぎ!
最近疲れてて睡眠時間も短めで、お昼ご飯にお蕎麦を食べ過ぎた俺には二時間半は拷問だ!
結局途中退席してトイレでリバースして、以降邪魔にならんように劇場出口付近で立ち見しながら、何度かトイレに行き来を繰り返す。
体調のいい日に、お家でのんびりリラックスして見れたらまだ大丈夫だったかも。
カンヌで退席者続出ってそういう意味…!?

そんな訳で所々見れてないから、映画の意味とかテーマとかについては語らない。
グロ・ゴア描写は過激だけど、見れないほどではない。
ジャッキで顔面ブン殴ってへっこんでたり、死体市中引き回しの刑で顔面が半分以上大根おろしになってたり、乳房をナイフで切り取ったり、それぐらいなので安心して見ていいよ!
劇場から出たあと、茶髪の女子大生二人組が、「ザ・ファブル」の方が怖かったー、とか言ってるぐらいだし!

しかし、そういった肉体損壊シーンよりも、主人公ジャックの行動と思想が不快だ。
自分を慕う親子を、小さな子供達から順番に殺し、生き延びた母親と子供達の死体と一緒に和やかにランチ。もちろん母親もその後殺す、といった鬼畜の所業。
遺体に手を加えて、それを「芸術の創造」と宣う芸術家気取りの殺人鬼。
レクター博士やジョーカーのような魅力もなく、ただただ不愉快な男である。

一応、最初の方こそまだ可愛げがあり、強迫性障害で血痕が残ってないか、何度も殺害現場に戻って掃除をして、それが裏目に出るなどのコメディめいた描写も。
しかし、殺人を繰り返すうちに強迫性障害は薄まり、どんどん大胆になっていく。
やがて自らの行いをアピールするほどに邪悪に、善良な市民からかけ離れていく。

そんな彼が、求めてやまない「家」とは何なのか?自分の居場所のメタファー?
物語の最後に、彼はようやく家を完成させる。
確かに、多くの人を殺めた彼にとって、その「家」の中は地球上のどこよりも相応しい場所だった。

彼が最終的に完成させるその「家」、そのオチは予想出来た。
というのも、同じネタの短編小説を昔読んだからだ。
このレビューの冒頭、吉良吉影ネタを書いたけど、そーいやその小説家もジョジョ4部のノベライズやってたな…偶然。