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50年後のボクたちはのkouのレビュー・感想・評価

50年後のボクたちは(2016年製作の映画)
4.0
《世界を狭めているもの》
何時だって僕等を成長させるのは充実して賑やかな日々ではなく、孤独とそれに寄り添ってくれる友人と過ごした時間だ。少年時代の成長を、友人とのかけがえのない日々を映像化した作品であり、爽やかで感動的な映画だった。

学校では変人扱いされ、冴えない日々を送るマイクは、転校生のチックと出会う。風変わりで破天荒なチックもマイクと同じように学校で孤立していた。チックはなぜかマイクに親しく話しかけて来る。退屈な夏休みを過ごすマイクのもとにチックがやってきて、2人車を走らせ、ワラキアを目指すことになるのだ。

一見無謀で、破天荒な旅だが、それこそが胸を熱くさせる。男二人、夜の草原で眠ったり、ある時は道に迷いながら、ある時は親切な人の助けを借りて旅を進めていく。もう1つ、心を揺さぶるのがマイクが出会うイザという少女だ。彼女との出会いと恋はマイクを成長させる。

とてもとてもオーソドックスな少年のロードムービーだ。そこには孤独から救ってくれる友人がいて、行動することで世界がひらけていく。旅から戻ってきた時、彼の世界は変わっている。世界は広く、学校なんて狭すぎるのだ。自分を退屈なやつだと思いこまないこと。いつだって自分の世界を狭めているのは自分自身だ。行動する勇気をくれる作品だった。
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