真田ピロシキ

この世に私の居場所なんてないの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.2
看護助手をやってる小太りのどこにでもいそうな風貌の主人公。看ていた(嫌な)おばあさんは不幸せそうな最期を遂げ、車の通行にはやたら邪魔され、家の庭には犬のフンを捨てられ、スーパーでは自分が落とした商品を拾いもしない奴がおり、挙げ句の果てには空き巣に入られてPCと形見の銀食器が盗まれたと来たもんだあ。しかも警察には鍵をかけてなかった自分が悪いと言われ、やる気のない警察に変わって自分で捜査しても責め立てられる始末。この世界は腐っていると怒りを覚えるのも当然。

それで義憤と私怨に燃える彼女が行動を共にするのが忍者オタクで武器オタク?ないつもの変なイライジャ・ウッド。この素人捜査官達は当然手際が悪く笑いも込み上げてくるのですが当人達は真剣。 笑い飛ばしてはいけない。が、終盤犯人グループと対峙して大事になるものの、この犯人達も金がなくて状態不良の銃を買って暴発させるような奴らで行き詰まった三下犯罪者の悲哀がタップリ。そんなこんなで作中で起こっていることはシリアスなんだけど、どこかおかしい珍妙な一本。主人公みたいに世の中の全てがクソッタレに思うことは誰しもあるし、そんな時に是非ご覧いただきたい。