Smoky

この世に私の居場所なんてないのSmokyのレビュー・感想・評価

3.6
珍しく邦題が秀逸『この世に私の居場所なんてない』。本作の見どころは、なんと言っても、役作りを念入りにし過ぎて変わり果てたイライジャ・ウッド(着てるメタル系Tシャツのセンスが最高)。最初見たとき彼だと全く分からなかった。

観賞後に(良い意味で)何とも言えない気分になる良作。ホワイト・トラッシュが沢山いそうな田舎街が舞台で、登場人物が全員、どこか抜けてて不完全なのがリアル(そこで、この邦題が効いてくる)。真面目にやればやるほどドツボにハマり、不安定なバランスを取りながらラストへと流れ込むストーリーテリングは秀逸。

ジャンル分けが難しいけど、強いていうならば、人間観察に優れたブラック・コメディ。コーエン兄弟の初期の作品を観たときの感覚に似てる。
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