YAZ

赤線地帯のYAZのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
4.2
溝口健二の遺作観る
久しぶりまた観るです

売春防止法施工の審議を背景に
吉原のやや高級な売春宿で働く
女性たちの群像ドラマ

軽いタッチの風俗ドラマだけど
女性の個性が立っていて面白かった

5人の女性のエピソードがランダムに
語られて売春を否定するでも肯定するで
もなく時代をリアルに捉えてる感じ。
社会派でなくただの風俗ドラマだけど
時代感はかなり高いのではないかな

売春防止の流れの中で他に行く所も稼ぐ
所もないお前たちを助けてる慈善事業
なんだぞが言い分の宿の主人。
皆ではなさそうだけど他に行く所がなさ
そうな女性は確かにいるようで

そんな中で男を利用して見事に転身する
若尾文子のしたたかぶりが何だか爽快で
あります

女性達の背景に親か子供があって売春婦
になった理由でもあるので家族のドラマ
という側面が加わり見応えが増してるよ
うにも思う

宿経営する夫婦が進藤英太郎と沢村貞子。
ある意味では主役的なポジションの二人
がいつもながら上手過ぎです


映画には関係ないけど防止法が施工に至
る政府(自民党)の思惑が今と変わらずで
なるほどね~でした
YAZ

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