TAK44マグナム

アトミック・ブロンドのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
3.8
シャーリーズ・セロンがボコります!


純粋なアクション派というイメージでもないですが、「イーオンフラックス」でスタイリッシュなアクションを魅せ、そして何と言っても「マッドマックス/怒りのデスロード」での荒々しい最強女子フュリオサのマックス顔負けの存在感が記憶に新しいシャーリーズ・セロン姐さんが今度は冷戦時代を舞台に最強の女スパイを美しく演じます!

演技力は折り紙付きですし、今後、年齢からいってもそうそう過激なアクションをウリにしてゆくとは思えないのですが、本作では殴る!蹴る!投げる!締める!そんでもって撃つ!と、本気のガチンコアクションを大胆披露、「私より強い女なんてこの世にいるのかしら?」ぐらいの上から目線で、スクリーンの向こうから我々をもノックアウトしちゃうのです。
うひょー、クラクラするぜ!


ベルリンの壁が撤去される直前の東ドイツ。
市民によるデモが連日行われる騒然としたベルリンで、活動中の全諜報員のリストが奪われる。
アメリカ、イギリス、ロシア、フランス・・・各国の諜報機関の思惑が複雑に絡み合う状況下、MI6は最強の女スパイを現地におくる。
裏切り者の二重スパイは誰か?
冷戦が終わりを告げようとする激動の時代、美しきアトミックブロンドが標的を討つ!

なかなかどうして渋めのストーリー。
彩るは80年代ミュージック。
ヨーロッパ建築のロケーションとギラついた夜の街が融合した世界観。

キーパーソンとなるスパイはジェームズ・マカヴォイが演じておりまして、飄々としているかと思えば冷酷な一面をみせたりと、一筋縄ではいかない謎めいたキャラクターをモノにしております。

やはり謎の女であるソフィア・ブテラとのレズシーンも美しく、美女二人が絡み合うのは当然の如く眼福以外のなにものでもありません。


登場シーンからして全身に痣や傷をつくった満身創痍状態のセロン姐さんですが、その綺麗なお顔に青アザもいとわない泥臭い戦闘、特に建物内の階段での長回しアクションシーンがスゴイ!
敵スパイを相手に、打撃の重さを感じる生々しい戦闘術を魅せるセロン姐さん!
ボッコボコにしながら、反撃を受ければ平気で顔だろうが腹だろうがバキッとドゴッとやられまくる!
見てらんないけれど、目に焼き付けるしかない!
ラスト近くの射撃シーンもキビキビしていて良いアクションデザインですが、やはりこの階段でのバトルが最高にアガりますね。

二転三転した挙句に到達する、人をくったような洒落たオチも「これこそスパイ映画!」と思わず膝を打つ良作。
是非、早いうちに続編をお願いしたいと思いました。


劇場(キネカ大森)にて