Smoky

最初に父が殺されたのSmokyのレビュー・感想・評価

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
3.4
いろんな意味でアンジーの転機となったカンボジア(ドル箱女優となったヒット作『トゥームレイダー』のロケ地であり、人道支援家となったきっかけの地であり、最初の養子を迎えた国)の内戦と歴史を描いた作品。

同じ題材を扱った作品としては既に『キリングフィールド』という名作があるけど、本作は子供の視点から淡々と描くことでその凄惨さを浮き彫りにしている。
声高な政治的メッセージや、厚顔無恥な糾弾性を廃しているのが素晴らしい(当時の米国はクメール・ルージュを支援してたからね)。

惜しむらくは、展開や描き方が稚拙であること。舞台は違うけど淡々と描く系であれば『ビースト・オブ・ノー・ネーション』みたいなヒリヒリする狂気(子供故の残虐性とか)みたいなものまで期待するのは贅沢かな?

低めの得点は映画として「物語の語り方」の部分に対して。勿論、アンジーの姿勢や態度、問題意識の素晴らしさには感服している。『17歳のカルテ』を観てからずっとファンだし。
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