ただ間宮祥太朗の初主演映画が観たくてアマプラに突撃した。
タイトルと予告編でバイオレンス映画と分かっていたので凄惨なシーンの連続を覚悟していたが、間宮祥太朗に集中して観てしまうせいか、冷静に楽しめたのは意外だった。
彼の演じるタカノリは零細ヤクザ一家の次男で、手首から胸までの刺青に金髪というビジュアルからまず完璧だ。クスリで完全にイッてるところもカオリにイカされてるところも友達の首をギュウギュウ絞めて殺害しているところも、本能むき出しの凶悪邪悪なタカノリに釘付けになってしまう。考えることを放棄しているどうしようもなさも上手い。
音楽の使い方が斬新で面白いという評価があるが、そこはしっくりこなかった。エンディングのメタル(HER NAME IN BLOODのAnswer)だけが気持ち良かった。
23歳でこんな仕事を受け、やりとげた間宮祥太朗の覚悟に感服する。やらせた事務所もたいしたものだ。生ぬるいラブコメに出ているのは将来への布石として認知度を上げるためなのかもしれない。「役者なんで望まれればどんな役でもやります」とか言うんだろうけど、内に秘めた祥太朗の野望、大いに結構である。
ラスト近くの、川で煙草を吸っているタカノリが尊いほどカッコよくて美しい。不安と諦め、自棄と微かな希望。何回もそこだけリピートしてしまった。
振り切った黒間宮、最高だ。
映画的にはアングラぽくて☆2.7あたりでいいかもしれないが、黒間宮効果で3.8にしてみた(4は厳しい)。