HisySTさんの映画レビュー・感想・評価

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変な家(2024年製作の映画)

3.7

ホラーもオカルトもミステリーも苦手なのに初日舞台挨拶を見たいがために鑑賞。ポルト映画祭で賞をもらった報告もあり、ポルトガルの観客にウケていたあたり、怖いだけの話ではなく分かりやすいホラー映画として成功>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.5

誰しもが抱えている心の闇が抉り出される。

偽善。
優生思想。
安全圏にいる優越感。
嘘。
見て見ぬふり。
仕方ないという諦め。
人の役に立つ、ということ。
人に迷惑をかける、ということ。
必要な人間
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

4.2

ホラーもサスペンスもミステリーも見たくない派だが、齊藤工監督と窪塚洋介の舞台挨拶見たさに何十年ぶりかに映画館でホラー映画を見てしまった。多分海外公開を視野に、とても丁寧に作られていた。事件の現場の表現>>続きを読む

全員死刑(2017年製作の映画)

3.8

ただ間宮祥太朗の初主演映画が観たくてアマプラに突撃した。
タイトルと予告編でバイオレンス映画と分かっていたので凄惨なシーンの連続を覚悟していたが、間宮祥太朗に集中して観てしまうせいか、冷静に楽しめたの
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破戒(2022年製作の映画)

4.8

原作では丑松の言葉だったものを映画では猪子先生が言っていたり、エピソードが違うところに挟まれたり、脚本が良く練られていることに感心した。
映画ならではの「間」が余韻となり、たくさんの場面で、より深く訴
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

庵野秀明のウルトラマン愛。
庵野秀明が50年前に見たウルトラマンの怪獣たちが彼の中で成熟して、エヴァの「使徒」になったわけか。

ウルトラマンタロウファンとしては
もっと怪獣出してもっとバトル見せても
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愛のまなざしを(2020年製作の映画)

3.6

愛は身勝手で、残酷で、苦しい。
タカシダメだその女に深入りしちゃダメ、そこから先はダメ、という観客の心の声はもちろん届かず、タカシはズブズブとアヤコ沼にはまっていく。
ふたりともきっと誰かと寄り添いた
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.0

原作の面白さが伝わってこない。

松坂桃李は良かった。

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

エログロはちょっと…でも松坂桃李が観たい…ヤクザ映画ちゃんと観たことないし…でもこの豪華キャストは観ないともったいない…続編凄そうだし…、で、台風の深夜に鑑賞。
最初の豚小屋のシーンで、この先着いてこ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

155分、瞬きもしない勢いで全集中したが、ユーミンから宇多田ヒカルの流れで泣けてしまった。

庵野秀明完全にイッちゃってて、もはやテーマなんかどうでも良い。
庵野のノーミソで繰り広げられている圧倒的な
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ばるぼら(2019年製作の映画)

3.6

美しい二人の裸体は甘美な退廃をまとい、絡みつくヘビーなジャズに酔う。別荘地あたりから狂気に加速度がついていく。ムネーモシュネーのオカルティック渡辺えりがカッコイイ。吾郎ちゃんがもっとイッちゃっててもっ>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.5

鑑賞後、電車を降りてから、後から後から涙があふれてきた。映画館では泣かなかったのに、胸の奥に澱のように切ない痛みが溜まっていた。我々が歩いているのはおそらく舗装された大きな道路で、凪紗たちがいるのは石>>続きを読む

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

4.6

フィンランドのコメディ史上最大規模の巨費を投入したというだけあって、愉快、痛快、爽快な北欧メタル・青春ロードムービー。
デスメタル、ゴシックメタル、メロスピメタル、バイキングメタル、などなど、北欧メタ
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来る(2018年製作の映画)

3.2

ホラーではない。
キャストが無駄に豪華でさすがに上手い。
容赦なく「あれ」にやられていく有名どころの潔さが、意味不明さによる退屈を救い、画面から目をそらせなくしている。
後半は「シン・ゴジラ」感が漂い
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.8

小学校中学年の頃に出会ってから、いつも傍にある「若草物語」。1949年のエリザベス・テーラー版は学生時代に名画座で観てビデオも持っている、年季の入った若草物語ファンだが、原作を損ねることなく、続編、第>>続きを読む

LETO -レト-(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

1980年代前半のソ連、ペレストロイカ前の書記長といえばブレジネフで、若者は徴兵されアフガニスタンへ送られる時代。レニングラードの若きバンドマン達の自由とロックの「夏(LETO-レト)」。
T-REX
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翼よ!あれが巴里の灯だ(1957年製作の映画)

4.3

1927年、ニューヨーク・ルーズベルト飛行場からパリのル・ブルジェ空港まで、たった二日間で、たった一人で、単葉機での大西洋を横断したという偉業。リンドバーグは蝿とも旅ができる気のいいチャレンジャーだっ>>続きを読む

アルタード・ステーツ/未知への挑戦(1979年製作の映画)

4.3

大昔観た記録。
サイケデリックでぶっ飛ぶ映像体験。
今はネットですぐ観られるようだが、スマホやPCの小さい画面で観たくない。もう一度スクリーンで観てトリップしたい。

スワロウテイル(1996年製作の映画)

3.6

大昔映画館で観た。
三上博史による、Charaのプロモーションビデオのようで、切なく気だるい。雰囲気だけで号泣してしまうが、意味を求めてはならない。

サンダーボルト(1974年製作の映画)

3.5

伊坂幸太郎×阿部和重の「キャプテンサンダーボルト」を読んだ直後にBSでやっていたのをたまたま観た。イントロダクションの麦畑の中の教会の牧師からもう目が離せない。あの頃のアメリカってみんな女が大好きで銃>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.2

ストーンズはいるのに、ビートルズがいない世界。そもそもSFは好きではなく「タイムスリップ系」も「魂入れ替わる系」も苦手だが、これは楽しめた。
ビートルズという奇跡の存在を自分だけの秘密として抱えるには
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ロケットマン(2019年製作の映画)

4.0

学生時代、彼が聴いていたエルトン・ジョン。当時はイッちゃってる派手なゲイのイギリス人にしては繊細な曲を作るなあという印象しかなかったが、今日、やっとエルトン・ジョン伝説の真実(のようなもの)が語られ、>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

5.0

「ドン・キホーテ」を観たらまた「未来世紀ブラジル」が観たくなり、久しぶりにBluRayを観返した。
サム・ラウリーの見ている夢。
閉塞感と絶望の苦しさでうなされたりするが、どこか甘美で切なく、おそらく
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テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

4.8

後半ぐんぐんギリアムワールドに突入して、ギリアムの脳の中に連れて行ってもらえる。もう戻ってこられなくても良いとさえ思えるほど心地よい。感動作じゃないのにクライマックスでは涙があふれ、エンドロールは胸が>>続きを読む

カツベン!(2019年製作の映画)

4.0

周防監督らしい、優しく暖かい面白さ。活動写真の話だけあって、深い映画愛が感じられる。お正月映画としてちょうど良さそう。成田凌は初主演で気合いの入り方が違う。竹野内豊も高良健吾もいい。竹中直人はちょっと>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.0

‪「好き」に理由なんかないし、私の「好き」と彼の「好き」は永遠に同じじゃない。だから「好き」 って言えなくて、こんなにも苦しい。こじらせてイタいと言われても、傷つくのを怖がってたら、恋なんかできない。>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.3

宮沢りえと蜷川実花監督の舞台挨拶あり。
宮沢りえは太宰治の正妻・津島美知子役。さすがの力量で全てを持っていかれた。凛として実に可憐で美しかった。
映画としては、そもそも小栗旬ありきの太宰治というのがち
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.2

1971年のアルゼンチンも70年代南米ロックも「朝日のあたる家」も太くカッコよく、17歳のカルリートスは美しく、淡々と人を射殺していく。
原題は「El Ángel」。まさに天使か、堕天使か。最初は、
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新聞記者(2019年製作の映画)

4.8

あなたの正義とは、あなたの良心とは、もしあなただったら、と真っ向から問いかけられる。
守るべきは国家なのか、家族なのか。
政権の安定のためならでっちあげの情報操作も厭わない内閣調査室。その政権にそこま
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凪待ち(2019年製作の映画)

4.2

まだ新しい椅子の匂いがするキノシネマ立川で鑑賞。
震災後の石巻を舞台に、ギャンブル依存症でどうしようもないろくでなしの香取慎吾が、デカいガタイで絶望に苛立ち暴れまくる。PG12指定でバイオレンスあり、
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空母いぶき(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

元陸自の友人の勧めで、原作未読のまま鑑賞。ど素人が観ても「最低限のルールを守れないような記者の若い女はすぐ下船させるべき」で「今の国連にそんな力あるのか」とかモヤモヤ満載だけど、そこを譲るとストーリー>>続きを読む

家族のレシピ(2017年製作の映画)

3.8

普段は日本人であることを意識しないけれど、民族の壁は知らないうちに知らない所に存在している事実を突きつけられる。日本人監督ではないため、雰囲気の端々がアジア映画で、中盤の聖子ちゃんのナレーションも翻訳>>続きを読む

半世界(2018年製作の映画)

5.0

市井に暮らす不器用な男たちの物語。火の音、炭の音、波の音、雨の音が美しく響き、哀しみと温かさに包まれる。
淡々と描写される炭焼きシーンは映画ならでは。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.5

低予算(300万!?)だからB級感は仕方ないのかな、と最初は思いながら観ていたけど、いやいや、どうして。エンドロールの時のその充実感といったら。また観たくなるのは必然。

50回目のファーストキス(2018年製作の映画)

2.2

舞台挨拶後の鑑賞。山田孝之の一生懸命さが切なくて、長澤まさみの戸惑いが愛おしい。話としてはファンタジー的でもある。
#50回めのファーストキス #山田孝之