青いむーみん

あしたは最高のはじまりの青いむーみんのレビュー・感想・評価

あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)
3.7
 基本的には楽しい映画でコメディ要素も強くて笑えるけど、ある展開に関してこういうのだったら最近は実話でありそうという弊害が。どうも実話ベースモノと比べると強度が違ってしまって感動はできなかった。そういう設定にしただけだよね?って思ってしまう。特に重要なポイントのアイデアが凡庸すぎて微妙な映画になってしまった。

 サミュエル、グロリア親子の楽しい生活シーンはずっとニコニコ観ていられる。ベニーもいいキャラだし、スタントマンという仕事も見せ場があるからいい。母親が最低な点以外はいいキャラばかりだ。とにかく母親が終始クソ女。メンヘラビ◯チ(※誇張なし)が3ヶ月で子供捨てといてどの面下げて戻ってこられるのか。しかもわざわざ新しい男連れてきてるし、自分本位すぎてグロリアの気持ちなんて一切お構いなし。自分が捨てたくせに一緒の時間がほしいとかアホか。人として信用できない奴に遺伝子だけで親権渡すのはおかしいだろう。屋上のシーン以降にグロリアの笑顔があるのはクリスティンがある決断をしたからだろうけど、その決断以外はホントに最低な母親だった。それに比べてサミュエルの変わり様は凄い。軽薄さは変わらないけど、娘のためという芯が出来るとこんなに違うのかと感じる。彼が最後まで秘密をベニー以外に明かさなかったのは正しいと思う。結末は分かっているんだから本当のことを話す必要はない。

 などなどいろいろ楽しめたものの、結末だけがファンタジーに感じてしまってグッと来なかった。伏線がなかった訳じゃないし、ミスリードも効いてたんだけどディテールを無視するために突飛なことしたように感じてしまって最後の最後でふわっとしてしまった。