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あしたは最高のはじまりのtotoruruのレビュー・感想・評価

あしたは最高のはじまり(2016年製作の映画)
4.3
明日はもっと強くなれる


『最強のふたり』のオマール・シー主演のヒューマンドラマ。

遊び人のサミュエル。
ある日、一夜限りの関係を持った女性から、実の娘だと突然赤ん坊を預けられる。
母親は失踪し、不器用ながらも必死に娘を育てるサミュエル。
やがて8年後、母親が突然あらわれ…


とにかく、サミュエルと娘のグロリアの2人の生活が、楽しく幸せそうなのが良い。

そして+1人のべルニーとの3人の生活もまた幸せそうで良かった。

2人の日常風景から、サミュエルの娘を守りたい、娘を笑顔にしたいという気持ちが、こちらに凄く伝わってくる。


それだけに後半の出来事は、サミュエルに感情移入をしてしまう。


個人的には母親の身勝手さがムカついて仕方がなかった。
特に後半で自分の望みを叶えたいがためだけに、誰も幸せにならない選択を選んだ放漫で強欲な態度にはムカつきMAXに。

これは私が男性目線だからなのでしょうか?女性や母親目線だと違うのかな?


内容的には結構シリアスなストーリー(特に終盤)ですが、二人の明るく爽やかな関係を活かして終盤もお涙頂戴の演出にならなかったのは好印象。

それでもグッとくるシーンは、たくさんありますが…。



ラストのモノローグにおけるオマール・シーの表情には驚いた。

自分の貧しい語彙と陳腐な脳では説明できないほど素晴らしい表情で、ベタに泣かせに来てないのに涙腺が崩壊して涙が止まりませんでした。


素晴らしい作品に巡り会えました。



おまけ


空気感の重さは全然違うけど、観ていて『チョコレートドーナツ』が頭を過ぎりました。

毛色は違えど、どちらも良い作品です。






※※※ここから、ネタバレ※※※





サミュエルが娘についていた母親が諜報部員だという嘘。

遊園地のような家。

学校に余り行かせず、自分の撮影現場や遊園地など遊びに連れ回したこと。

母親に合わせたこと。


娘が病気により長く生きられないという事実を知った後では、娘を笑顔で楽しく過ごさせたいというサミュエルの気持ちが理解できて泣けてくる。
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