ガンビー教授

カンフー・ヨガのガンビー教授のレビュー・感想・評価

カンフー・ヨガ(2017年製作の映画)
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新春から喰らった。

ゆるいとか酷いとかそういう評価軸を通り越した先の何かだった。正直言って楽しんだ。ただ、楽しみつつも内心「これを許して良いのか」という葛藤のある珍しい映画だった。しかし、完成度は高くてもこれより面白みに欠ける映画というのもいっぱいあるんだよな……

邦画もそうだけど、なぜこういう「何か」としか呼びようのない映画は箇条書きみたいな展開が羅列されるのか。

思わずツッコミを入れたくなるというか、気になる箇所が繰り返し出てくるが、次々と繰り出される場当たり的な展開で吹き飛ぶ。「お前さっきまで砂漠にいたんじゃ?」とか「その宝を取り合いながらの複数人格闘アクションシーン、さっきまったく同じことやったよな?」とか「この映画に本当にヨガ要素は必要だったのか」とか「何その展開」「何そのくだり」「何そのギャグ」とか観賞中いろんなことを感じたが今では10分の1も覚えていない。思考をスポイルされた。

「よく分からないギャグが気になって本筋のはずのアクション展開に集中できない」みたいな感じが全体の7割を占める映画。

何も予備知識を入れずに見に行ったので、冒頭におけるけったいな質感の、狂ったようなアクションシーンが2時間続いたらどうしようと震えた。

「ここでこの映画が終わったらどうしよう」というタイミングでジャッキー含むキャストみんなが踊り出したので震えた。

カンフーヨガというすごいタイトルの何とも形容しがたいすごさがこの映画の「何か」を物語っている。繰り返して言うけど、めちゃくちゃ楽しんだ。新春の気だるさには似合う作品であるように思えなくもないが、それにしてもだらけすぎ&調子乗りすぎな気もする。許していいのか。
ガンビー教授

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