ゆかちん

エジソンズ・ゲームのゆかちんのレビュー・感想・評価

エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)
2.9
事実を基にした物語…の割に、何かまとまりが無いような作品だった。
色々あるからか、エジソンの筋が見え辛いというか。
プロットがなんかボヤついてる印象。
でも、それがリアルに近い話なのかなぁとも。

細かい備品や図やらもリアルだったようで。
ちゃんと裏付けとかもしてそうやし。

天才発明家エジソンが主役で、実業家のウェスティングハウスと争う…という謳い文句を見たときは、シビアな実業家が発明家のロマンをビジネス戦争に持ち込んで奪うのかな〜みたいな話かと思いきや、ウェスティングハウスは至極まとも。
むしろ、エジソンを敵対視せず、手を組んでさらに高みに持って行きたがっていた…。。
そんな厚意をエジソンが固辞して意地になって、ウェスティングハウスを負かそうとしてただけでは…という。。

だから、確かにネガキャンとかドロドロもしてたけど、予想してたよりバチバチな印象を受けなかった。ウェスティングハウスはまともやし。

天才発明家エジソン万歳!ではなく、天才発明家も周りに迷惑かけたし、性格に難もあった。だって人ですもの。

今の電気はエジソンだけのおかげではなく、色んな人の努力や発明で複合的に相乗効果で成り立ったんだよ。

…そういうのを示していたようにも感じた。


人を傷つける発明はしない!と、お金になる発明はせず頑なに信念を貫いていたエジソン。
そんなエジソンが死刑用の電気椅子の最初に絡むという皮肉。

大切な奥さんの死という絶望もあるけど、そこから音を記録し再生する蓄音機(フォノグラフ)の発明に成功し、今や私たちの生活を豊かにしている。

電流戦争に負けた後に、動画撮影機キネトグラフを発明し、映画の始まりになる。
エジソンがこれを作ったことで、今、私はエジソンの物語を映画館で観ているんだな〜という、この映画の最初のフリとオチの着地点。

こういうことは、なんともなんともな気持ちになり、これがあって今の私たちの生活が築かれているのかと感じた。
こういうところは、事実に基づく映画として良かったと思う。

カンバーバッチ先生、天才だが気難しくプライド高く感情の起伏が激しい…という期待される役でしたが、イミテーションゲームとかよりも穏やかに見えた。そこは愛する奥様や子供がいたからなのかな。

トムホは、トムホやった笑笑。
ただ、最後に髭を蓄えて話してる姿は大人に見えた!笑。

マイケル・シャノンも良かったなぁ。
エジソンを黙らせたが、そのやり方を懺悔してたのが、悪い人やないんやなぁと。

ニコラス・ホルト、テスラの神経質そうな変わり者ぽいのをうまく表現していた。彼の人生だけで映画作れそうやな。


直流や交流やて、理科を思い出した笑。

ここで意地を張らず協力していたら、どんなことになったんだろう?とか、人と人の衝突と惹かれあいとか、なんで協力し合わなかったのかな?ここをこうしたら良かったのではないのかな?とかみてると、普通の人の立ち回り方にも参考になるというか。

彼らの史実について調べてみようかな、とか。


事実を基にした物語としての役割は果たしてるとは思った。

知的好奇心がある人や、この界隈の勉強をした人、俳優さんが好きな人にはオススメかな。
ゆかちん

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