みやっち

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のみやっちのレビュー・感想・評価

3.1
高い自尊心か現実的な妥協か。
ギリギリの選択を迫られるチャーチルの苦悩は
見応えあります。
下院議会での演説は大歓声の祝福を受けますが
「言葉の武器」で窮地を切り抜けたというには
私には少し説得力が感じられなかった。
「誇り高く戦って死のう」は言い換えれば
「1億玉砕」と同義だから。

ダンケルクから逃した戦力で立ち直り結果的には
連合国側は勝利するのだけれど、ソ連がドイツ東部
を攻めなければ英国は敗北していたかもしれない。
結果オーライなのだが、もし英国が負けていたら
ドイツに蹂躙されチャーチルは間違いなく戦犯とし
て処刑されていたはず。

運命とは不思議だ。「勝った方が正義」であり
もしドイツが勝っていたら民族浄化やホロコースト
が正当化されていたかもしれない。
そうしたら現代のイスラエルも存在しない「if」の
世界があったのかもと思うと不思議な気持ちになる。
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