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X-DAY 黙示録の光のレビュー・感想・評価

X-DAY 黙示録(2016年製作の映画)
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本作は15年周期で地上にわいてきて無慈悲な襲撃をかます大量の魔物の暴虐の限りを描いた作品でした。
キャッチコピーの表示される通り“大・群・襲・来”が魅力であり、本作最大の特徴だと思う。
それは大袈裟で誇張な嘘コピーではなく本当に大群が来るからすごい。
従来の低予算なモンスター・パニック映画ではここまでの物量を描くなど到底できなかっただろう。
それだけに感銘を受けるくらいにすごい。
しかも数が多いだけでなく魔物の種類もいろいろといるのが良い。
翼竜型や牛獣型、蛇型に人型などデザインも多種多様で観ていておもしろい。
共通するのは黒く禍々しいという点。
まさしくダークモンスター感があり中二心を刺激する。
これらのダークモンスターが画面狭しと暴れまわると言えばこの映画がおもしろいとわかってもらえるはず。
しかし残念な部分も必ず存在する。
魔物のデザインと物量は頑張ってくれているが1体1体のCGが雑でちゃっちぃ。
そして人に直接襲いかかるシーンが少なく遠目で暴れている様子を見せるシーンが多い。
人類VS大量の魔物という終末戦争っぽさを期待しているとガッカリしてしまう。
だが低予算ゆえにこれは仕方のない事だとは理解できる。
魔物要素以外では、主人公たちが終始逃げ隠れするだけの展開というのが少々拍子抜けだ。
もっともそういう映画だというのは観始めてわかることだったが、この作品のイメージとしては“突如出現した魔物の大群に人類が存亡をかけて立ち向かう”みたいなのを期待していただけに反動が大きかった。
まさかの主人公が一般人で目的が避難という映画だったのだ。
大型の銃器を持ってドッカンドッカン戦うというシーンは1瞬も無い。
逆に言えばそれだけ太刀打ちが出来ない存在として描かれているとも言える。
生き物の大量出現を駆除するではなく、なすすべない天災が治まるのをジッと待つという感じだ。
そう考えればわかりやすい映画だ。
運悪く逃げ遅れた主人公たちはいかにしてこの天災から身を守るか…ということだ。
次に問題として挙がるのは、人類の対応の悪さだ。
15年前の過去にも同じ事例があったという前提で、魔物がやってくるというゲートの管理・避難所の手配これらがザル過ぎるだろ。
堂々と開けっ放しのゲートに予約完全無視の避難所とかバカかと(笑)
人類をピンチに立たせるためのご都合展開とはいえツッコミ所が無理矢理すぎて笑える。
総括としては、予算の少なさが作品の良さを潰している勿体ない作品という感想。
観る前は魔物の大群出現にワクワクしたのですが、実際は籠城展開が多くて魔物の大暴れする様をあまり見ることが出来なかったのが惜しいと感じた。
ただクリーチャーを出し惜しみしない姿勢は素晴らしいと思う。
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