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ライブ・ランナーの光のネタバレレビュー・内容・結末

ライブ・ランナー(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

印象としてはイマイチな作品でした。
ドイツ政府が移民問題を打開するために開始されたデス・ゲームという設定の本作。
いくら架空の話だからといっても政府公認で殺し合いをTV中継するという前提が正気とは思えない。
アンダーグラウンドでひっそりと施行されているならまだわからなくもないがここまで行くと政府に違和感しか覚えないですよね。
とはいえ映画としてこの設定はなかなかに楽しめそうだとは思った。
似たような作品が多く存在するためやや飽食気味だがデス・ゲーム系には期待します。
ゲームの内容だけ見ると日本のTV番組「逃走中」に近い雰囲気とも言えますね。
町全体を使った広範囲なフィールド、そして町中に散らばったハンターから逃げながら目的地を目指す。
ルールはこれだけでシンプルさがいいね。
一般市民が協力してくれる場合もあれば敵となる場合もある。
個人的にはもうすこし周囲が敵だらけな展開が観たかった。
それこそ『SWAT』や『藁の楯』のような一般人がよってたかって殺しにくるみたいな感じで。
そういった意味で言えば、ハンター以外が無関心な中で行われているというのが少々勿体ない設定だと思った。
あとTV中継されているという設定もあるが、これが効果的に使われることがほぼ無かったのも勿体ないなと。
TV中継されているシーンが描かれず、ゲーム状況を実況したり解説したりするみたいなシーンも無かった。
つまりライブ感がまったくない。
何のための中継なのかがわからないレベルだ。
人気番組と言われるが、ゲーム開始時点で半数以上が殺される状況のどこが楽しいのだろうか。
ハンターも町のチンピラ集団みたいな感じがハンターらしくない。
人を追い回していたぶって殺すのが大好きな連中が集まっているだけにしか見えないし。
それから主人公がゲームに参加させられる過程が一番イライラした。
妻に「関わっちゃダメ」言われてるのにゲーム参加者を助けるし、助けるなら助けるでしっかりやって、ルール知ってるなら見つからないようにやればいいのにハンターと喧嘩するし。
どっからどう見ても正義感を勘違いした自業自得型の半端野郎で共感できない。
しかも移民じゃないのに参加させられる刑罰の変わりみたいな扱いも無理矢理感あるし。
導入部が強引すぎて納得できないコトだらけなんですよ。
元々ドイツ住民だからこそ攻略法を知っているとかあればおもしろくなりそうだったが、知人がハンターだった程度の活かし方しかしない点もガッカリです。
終盤で妻が助けに来て「これは冒頭の主人公と同じパターンで妻がゲームに参加させられるループオチだな」と予想したら、普通に妻が殺されて主人公が有能ハンターに昇格しましたオチで毒にも薬にもならぬ。
それならそれで主人公もハンターぶっ殺しまくってとんでもねぇヤツが参加してきた感を演出してほしかった。
あとやはりこの作品のコンセプトから疾走感がもっと欲しかったと思う。
町全体を使った鬼ごっこというアイデアならば高低差を利用したパルクールアクションは必須。
施設内での逃走劇や追跡劇なんかも見たかった。
総合的には設定のアイデアだけで盛り上がりのない映画でしたね。
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