ユンファ

孤狼の血のユンファのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

これぞ21世紀版「県警対組織暴力」!
時代は変わった。
ヤクザも警察も変わった。
往年のスターは消え、伝統は死んだ。

役所広司扮する型破りな刑事は、今は亡き昭和の東映イズムそのものであり、松坂桃李が演じた部下は、その熱き魂の火種を消さぬよう新たな孤狼となる。
滅び行く古き良き伝統とその精神の継承という点で、ディズニー買収以後のスター・ウォーズ的でもあり、全く新しいやくざ映画の誕生とも言える。

欲を言えば、ドンパチも怒号もまだまだ足りない。もっと暴力的でいいし、もっと荒々しくていい。
これが過激な描写を控えがちな現代の表現の限界なのだと思うと寂しくもあり、文太兄いや渡瀬さんら、沢山のかつてのスターの不在が不意に胸を締め付ける。
それでも単なる懐古主義に陥らず、東映に新たな波を起こそうというスタッフ・キャストの熱い思いを感じた。

やくざ映画は楽しい。
初日の劇場には、老若男女問わず様々な観客が詰めかけていた。
ここから東映やくざ映画の復権が始まるとしたら、こんなに嬉しいことはない。
ユンファ

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