青いむーみん

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生の青いむーみんのレビュー・感想・評価

3.7
実話ベースの障害乗り越えジーニアス物語。

普通の人の5%しか見えないというのが実際に観客にも感じられるように画面全体が何度も5%の視力に切り替えられる。この視力では努力も情熱もそう長くは保てないとなるのが大半だろう。しかしサリーは違う。記憶力も聴力も学習能力も人並み以上なのであらゆる手を使って視力損害を補填していく。素晴らしく前向きな物語だし人間的なところも多分にあり、サリーの魅力も分かるし、友人マックスも軟派なナイスガイでいいキャラだからキャラクターも存分に楽しめるなと思ってたら、次の試練が来る。その時、サリーはやってはいけないことをする。ここでは試練に対して行うべき優先順位がおかしいし、私が日本人だからかアレをするとどう頑張っても擁護できなくなる。しかもそれは表沙汰にならずに終わる。実話がそうだからなのかもしれないが、ラストはカタルシスからの秘匿の維持、不義理、目標の下方修正という残念三連発でどうも頷けない映画だった。それがリアリティと言われればそうなのかもしれないけど…もしそうなのならば何かセリフが必要だったと思う。
本当のサリーは15歳から15年間弱視を隠し続けていたらしいので映画の物語は実話とは大分異なるのだろう。とするとあのラストの展開はどういう意図があったのかちょっと理解に苦しむ。

ただ大方いい映画ではあって周囲に良い人がいるという喜ばしい感覚を味わえるし、5%の弱視というのも体感できるので観ても損はないだろう。