71点。丁寧に撮られた静かな作品。小津映画にオマージュを捧げているのも納得の会話劇。モダニズム建築で有名な街での、共に家族に縛られている年の離れた男女のほんのすこしの邂逅。一旦停滞している2人の人生の物語がその街の風景と共に切り取られている。
登場人物も少ないし、大きなドラマの動きもない、とても地味な話なので会話を聞き逃すまいと、結構体力も使う。英語がネイティブだとまた違ったんだろうな。結末は2人の対比も含めてしんみり。
鏡の使い方と意味合いなど、映画の教科書的。構図とかも、あ、いいなと思う画はたくさんあるんだけど、制作規模的に照明や色味までにこだわれているわけではない。建築を背景に…というわりにあまりその建築物を見せてくれないシーンが多く、そこはストレスがあった。ちょっと真面目に作り過ぎてる感じがした。
