スプリングス

心が叫びたがってるんだ。のスプリングスのレビュー・感想・評価

心が叫びたがってるんだ。(2017年製作の映画)
3.7
〈/もっと尺をあげたい/〉

【Plot Summary】
昔々あるところに、おしゃべりが好きな少女がいました。
少女はおとぎ話に出てくるお姫様や舞踏会に憧れて、家の近くにあるお城を見にいっては、憧れにため息をつくのでした。
ある日、少女は自分の父親がそのお城から出てくる姿を目撃します。
お父さんは王子様なんだ!
興奮に包まれたまま家に飛んで帰った少女はさっそくお母さんにそのことを話します。
あのね、お父さん王子様だったの!
お姫様はお母さんじゃなかったけど、お母さんお料理してたから行けなかったんだよね!
お料理をしていたお母さんの手が止まります。
『もうそれ以上、喋っちゃだめ...』
少女の口は、お母さんによって力強く閉じられてしまいました。
────その日から、少女の生活は一変します。
家にいるのが当たり前だったはずのお父さんが、家から追い出されてしまったのです。
少女はお父さんの残した言葉を思い出します。
『全部、おまえのおしゃべりのせいじゃないか』
クシャッ...。
少女の足下で卵が割れました。
家族が壊れました。
言葉が壊しました。
言葉が...。
言葉は人を傷つける。
言葉のせいだ。
言葉のせいなんだ!
言葉が全部悪いんだ!!
......こうしていつの間にか、少女は言葉を失ってしまったのでした。

【Review】
なるほどそっちか!
そっちで攻めてきたか!
って感じでしたね。
それくらい《アニメ版》とはずいぶんと受ける印象が違いました。
まず先に言わせていただきますね......僕はアニメ版の方が好きです。。
(僅差ですが)
なんかこう、、アニメ版は心理描写の芸が細かかったんですよね〜。その点実写版はスムーズすぎた印象を受けました。
(もちろん実写の方が長けている箇所もありましたよ〜、野球部とか田崎とか野球部とかね)
尺に納めねば感があったというか、トントン拍子感がありましたね。
(ここもっとタメてほしいのに...と歯痒い気持ちに)
んでさ、皆さんが言ってるとおり成瀬順役の芳根京子さんはスゲー良かったんだけどさ、、。
Wヒロインのもう一人...仁藤が全編通して何考えてるのか分かんないキャラになっててかなり怖かったです!
(感情のこもってないセリフがもう...)
ナチュラルサイコやんけ!
あんたは堀川君か!!
(あそこまで酷くはないか)
タイトル通り《心から》言葉を絞り出している3人(成瀬・坂上・田崎)と比べると、かなり浮いてるな〜という印象を受けました。読んでる感があるんですよね、、セリフを。。
...だからこの作品でのけっこうな見せ場、アガる部分、成瀬いねぇのにどうすんだよ展開のあの決意のシーンが、、『それ本当に思ってる?』になってしまってて悲しかったです。
(※僕の個人的見解です...仁藤ファンの方ごめんなさい)
あと、出来ることなら成瀬親子はミュージカルのシーンで初めて目を合わせるくらいの、それくらい壊れきった関係の方が良かったかもしれないなと思いました。
(幼い頃の事件の時も病院帰りの車内でもアイコンタクトバッチリでした)
あ、あと1番言いたいことあった、、。
『光のない部屋』って曲は《まやかしだって いいから踊ってみたい》まで流さなきゃ駄目だよ!
なんでカットアウトしたし...、。
この歌詞に成瀬の喋れない理由のヒントが隠されてると思うのだけれど、、ブツ切りで止められたから思わず劇場で叫んだよ(心が)。。

......まあ色々書きましたが、今作が『ここさけ』なことに変わりはありません!!
アニメでは描かれていない箇所を掘り下げてくれたのは本当に嬉しかったし、野球部最高かよ!な映画になってましたよ、笑。
この勢いのまま『さよならの朝に約束の花をかざろう』の上映を待ちましょうぜ!!
(『ここさけ』『あの花』の脚本、岡田麿里さんの初監督作品です)
どんな略し方をされるんだろう...《さよかざ》とか?
楽しみじゃぁぁぁ!!!

【Digression】
てか、水瀬いのりさん見つけられんかった......(~_~;)。
ファンなのに、、ファンなのに、、泣。。
(※にわか疑惑)