まめまめちゃん

蜘蛛の巣を払う女のまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)
4.0
やっと見れました。
ダニエル・クレイグとルーニー・マーラの「ドラゴン・タトゥーの女」は、このミレニアムシリーズでは異色の作品だと思っています。

天才ハッカーで、背中にあるドラゴンのタトゥーが特徴のリスベット・サランデル。彼女ははバルデル教授から、彼が図らずも開発した核攻撃プログラムを、アメリカ国家安全保障局(NAS)から取り戻してほしいと頼まれます。しかしリスベットはそのプログラムを狙う別の組織に付け狙われ危険にさらされます。その組織の陰謀の裏を探りたどり着いた人物とは。

モノトーンに拘った画が最高にスタイリッシュ。音楽もヨハン・ヨハンソンの「the beast」のような、不穏な空気を纏いつつも若干軽めに仕上げてるせいか、うっかりすると停滞しがちなテンポを引き上げているように感じました。
際立った頭脳と知識だけでなく動物的直感と戦闘能力にも長けたリスベット像は新しいです。もちろん危ない目にもたくさん遭うし前半くらいで普通死んでるんじゃないかとも思うけど、アクション映画だと思えば納得。

そのアクションに寄ったせいでしょうか。前作に比べると人間の欲望や格差みたいな描写が薄いです。ミカエルやラスボスについてもそれだけ?という触り方です。
ただ私は若干前作のリスベットの突然の妙な女臭さに戸惑っていたせいか、今作の彼女がひたすらに目的の遂行に邁進する姿を推しますし、ミカエルとの関係も納得する着地となっていて満足です。キャスティング、良かったのではないでしょうか。