ぶみ

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語のぶみのレビュー・感想・評価

4.5
ダン・フォーゲルマン監督、脚本、オスカー・アイザック等の共演による群像劇。
住む国も世代も異なる二つの家族が交通事故を通じて交差していく姿を描く。
物語は全五章で構成され、一見何も関係のない二つの家族が徐々に絡み合っていく様は、群像劇の真骨頂であり、大団円を迎える第五章の畳み掛けるような展開は、中盤である程度話の筋が見えてくるにせよ、感動の嵐が吹き抜ける。
アイザック始め、オリヴィア・ワイルド、マンディ・パティンキン等が家族役を好演、そこにアネット・ベニングや、アントニオ・バンデラスが加わるとともに、サミュエル・L・ジャクソンが本人役で登場する等、演技派が脇を固めている。
また、ニューヨーク、スペインの街並みがボブ・ディランの曲をバックに美しく描かれているのも、人生賛歌としての局面を際立たせているもの。
物語には予定調和すぎる面もあるが、映画とはそれで良いもの。
そんな奇跡があるのかもしれない、と思わせてくれるだけでも映画としての役割は十分であり、いつ誰に起こってもおかしくない悲劇をありのままに描き、当たり前のような日常である今この瞬間を大切にしたいと感じさせてくれる。
時の流れに抗うことなく、過去から未来へ続く物語を日々紡いでいるんだということを、頭の片隅にそっと書き込んでくれる秀作。

人生が私たちを屈服させても、立ち向かってやる。
ぶみ

ぶみ