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アネットのdojiのネタバレレビュー・内容・結末

アネット(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ミュージカルという形式のせいか、カラックスにしては大味な感じもあって、普段だったら7thや9th、13thとか、テンションコードを多用する作曲家が、マイナーコードのトライアド主体の曲を書いたような感覚もあって。しばらくカラックスの映画から離れていたし、愛を受け入れられない未成熟さからくる悲劇というのは定番なので、そこまでのめり込んで観ていなかった。

それでも、知らずにアネットの額にできた傷やヘンリーの右頬にひろがるあざのように、少しずつ悲しみがこころに傷をつけるような感覚がものがたりが進むごとに広がっていった。そして、ふたりの愛の歌が他人の手によって生まれたものであることがわかり、娘の口によって、愛することができない歌へと変えられてしまったシーンで、言いようもない悲しみが訪れた。あのメロディーだけ執拗に耳に残る。
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