アキラナウェイ

犯人は生首に訊けのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

犯人は生首に訊け(2015年製作の映画)
3.7
普段はセンスのないタイトルを付けがちな邦題が、本作に限ってはグッジョブ。だって英題はBluebeard(青髭)だもの。病院に泊まり込んで働き過ぎな主人公の事を指して「青髭」なのかも知れないけど、映画の内容としてはてんでピントがズレている。

大好きな韓国人俳優の1人、チョ・ジヌン見たさに鑑賞。

15年もの間、連続殺人事件が続く京畿道。そして新たに発見された首と手足の切断された女性の遺体。妻と別れたばかりの医師スンフン(チョ・ジヌン)は、自身が借りている部屋の1階で精肉食堂を営む大家の親子が犯人ではないかと疑い始め—— 。

痴呆症が進む大家のお爺がうわ言のように呟く、人間の身体を切断する事の苦労。

そして、大家の息子の言動もいちいち怪しい!!

これは過労による聞き間違いか、思い込みか。神経を徐々に擦り減らしていくスンフン。そんな中、自分の家の冷凍庫の中に黒いビニール袋に入った生首を発見しちまったもんだから、もうパニック!!

スンフンの精神状態が安定しておらず、悪夢を見るシーンも挿し込まれる事で、その冷凍庫に生首があるのかないのか、観ているこちらもハラハラドキドキ。

精肉食堂というのもまた恐怖を煽る。人肉を切り刻む道具は全て揃っているんだもの。

物語の前半と後半でガラリと変わる展開。

これは騙された〜!!

人は見たいものを見たいように見るのだ。

スンフンがまさにそうであったように、観客もまた、自分の目に映るものを自分にとって都合が良いように解釈している事に気付かされる。加えて、チョ・ジヌンの演技力が俊逸。前半と後半で、演じている人物は同じで、主張している事が同じでも、観客からの見え方がまるで違う。

Filmarksの評価は低めだけど、個人的には楽しめたのでこのスコア。若干、グロ描写が物足りず、かな?