狭須があこ

バニシングin60 PART2の狭須があこのレビュー・感想・評価

バニシングin60 PART2(1989年製作の映画)
4.7
フィルマークス運営さんが、とうとう追加してくださいました。
熱烈なラブコールの甲斐があったよ、ありがとうございます!

不穏な音楽、やる気なさげな司令室の女性、なんの説明もなくいきなりトレーラーの屋根にぶら下がってる主人公、唐突にはじまるカーチェイスと、大量に出現して派手に壊れまくる車

う、うおー、それが見たかったんだけどさー!
とうとうストーリーという概念を捨てましたねぇー!
ハリッキー監督は、映画監督という職業に出会っていなければ、こういう暴走をしてバッドエンドになった人じゃないかな…
映画の中でやる限り合法で車壊せるもんな、考えたもんですね。

もー、よくこんなフェチ的なカットを思いつくよね。
こんなエロいカーチェイス、他の映画で見たことないわ。カーチェイスがエロいんだよ、わかる?
ハリッキー監督の言葉「この映画は私の車に対する愛と憎しみ」という言葉を噛み締めながら舐めるように拝見しました。

今回の主役の車、「スライサー」。
わたくし、無知にして知らないんです、お恥ずかしい。特有のボディラインなのに全く見たことないけど、監督がチョイスするからには実は有名なスゴイ車なのかな?
と思ったら、ハリッキー監督が作った無敵のカーチェイス用マシンだそうです。うぉい!とうとう専用マシンまで作っちゃったのかよ!!
アホみたいに車ひっくり返すと思った…

この作品が遺作だと思うと悲しくなるなぁ。
こんなハデなカーチェイスで、火事とケガ人だけ。
死人が出てない軽快なカーアクションだけど、このクラッシュのなかのひとつで、監督が死んでるんや…

最後に出るメッセージで感極まって泣いてしまいました。
もうこんな才能は今後現れないんじゃないだろうか。
まだ見たかった。本当にまだ見たかった…惜しすぎる。

ちなみに奥さんの解説によると、ハリッキー監督は、カーアクションを先に撮る手法だったそうです。
あーなるほど、それで撮れたシーンを繋げたから、ストーリーがなんにもないのねw
エライ濃すぎる映画だと思いました。納得。
でもいいよもう、コレでも。どうせやりたいことコレなんだから

バニシングin60で壊した車が93台、ジャンクマンで175台。
で、今回はですね、300台以上と、パトカー80台を買ったそうです。
イヤイヤ…さすがに…

亡くなっても懲りてなさそう。天国でも楽しく車を壊してそう。
最高のカーチェイスをありがとうございます。
ご冥福をお祈りします。
狭須があこ

狭須があこ