狭須があこ

戦場のピアニストの狭須があこのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.2
最初から最後までほぼ知ってる史実の通りで、展開も想像できることしか起きないんだけどそれでも死ぬほど凄絶だった
生ぬるく描いたとしてもモデルが人類史上最低の出来事なわけで、さもありなんだけども、それにしても…

人間コエエェーーー…
これ見て綺麗ごととか…なんも言えないって…

もしこの時代にドイツ人に生まれて、世界のおかしさに気づけるだろうか。「目の前の人間は人間としての価値がないんですよ~」って教え込まれたとき、目の前の相手はどういう生き物に見えるんだろう。
「そんなのおかしい!同じ人間なのに!」ってみんな思うはず、って今なら思ってしまうけど、そうならここまでにはなっていない。

もしこの時代にユダヤ人に生まれて、この割合で人が死ぬ世界で生き残れるだろうか。あまりにも隅々まで根絶やしにされていく絶望。生き残れる方がおかしい。
フィクションなら起きそうなことが何も起きずに進んでいくのマジでやばい。現実ってやばい。

世界ってちょっとしたきっかけで180度変わるんだ、ってことがすべて描かれていた
今からいつこうなってもおかしくないってこと。

ノンフィクションあるあるのエンディングがつらかった
うう、しんど…この世界にハッピーエンドなんてないんだ…
狭須があこ

狭須があこ