やわらか

永遠のジャンゴのやわらかのレビュー・感想・評価

永遠のジャンゴ(2017年製作の映画)
3.7
自分は世間一般と比較すればジャズを聴く方だけど、ジャンゴ・ラインハルトについては、ジャズギターが好きじゃないのもあってあまりよく知らない。アルバムは2,3枚持ってるけど「うーん、伝説の人らしいから一応聴いておくべき?」みたいな感じで。
 
ええっとこの映画、特に彼の出自であるロマ(ジプシー / ツィガーヌ)との関わりと、ナチスによるフランス占領・ロマ迫害の時代にフォーカスが当たっている。ジプシー音楽はラヴェルとかが現代音楽的な展開をする時のとっかかりになっているので、その部分だけで言えば、民族音楽・現代音楽の側面から楽しめる。
 
映画であらためて聴いても、Jazzとしてこれを聴くかと言われるとあまり乗り気にはならないけど、現代音楽のひとつとしてなら十分聴けるなとは思った。映画で残念ながら楽譜が現存して居ないジャンゴの幻のレクイエムを再現するシーンがあるけど、あそこはとても良かった。
 
映画としてみると、ジャンゴ役のレダさんも良かったけど、ルイーズ役のセシル・ドゥ・フランスが役柄的にもアクセントになっていて輝いていた。
 
ちなみにジャンゴが辿った脱出の経路は今年上映の『少女ファニーと運命の旅』と同じようなルート(アルプス)で、やっぱりフランスからの脱出はここしかなかったのかな、と思った。
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