ハンガリーのイルディコー・エニェディ監督のメガホンによるラブストーリー。2017年・第67回ベルリン国際映画祭で金熊賞をはじめ4部門を受賞。
ブダペスト郊外の食肉処理場で食肉検査官として働くマーリアは、コミュニケーションが苦手で職場に馴染めずにいた。片手が不自由な上司のエンドレは、マーリアのことを気にかけるが、うまく噛み合わない。そんな不器用な2人が、偶然にも毎日同じ夢を見ていることを知り…。
食肉処理場が舞台のため、屠刹など、やや刺激の強い場面があるが、総じては、不器用な2人の恋の行方を見守る作品。ただ、この2人、相当恋に奥手なため、当人たちだけでなく、観ているわれわれも、2人の距離感が掴めない。果たして、2人の恋の行方は?
シェイプ・オブ・ウォーターといい、本作といい、奇しくもちょっと変わった恋の形を描いた作品が有名映画賞を受賞したのは、心の触れ合いを渇望する現代の世相を反映しているように思う。
