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スキン~あなたに触らせて~のこどものレビュー・感想・評価

4.0
物事をアイコンでしか捉えられない人たちを刺す映画。何かの特性を病的なほど偏愛する人々は沢山いるわけだけど、愛される側は自分の全てがそこにある訳じゃないと不満を持つ。

ここからは変態の一意見として聞いて欲しい。
見た目がめちゃめちゃ綺麗な女性がいたとして、彼女は、恋人が自分のことが好きなのか、自分の「外見」が好きなのかわからないということでいつも悩んでいる。でもそれって、美しい外見を保とうとしているのは彼女の内面であって、「美しい」と思う価値観が自分と一致していて、そういうこと全部引っ括めたら、やっぱり「あなたが好き」っていうありきたりな言葉に収束してしまうのはすごくよく分かる。そして、本当にそこに嘘はないのだと思う。こういうところは大目に見て欲しいというか、好きなんだから良くない?くらいの寛容さを持ってほしいというのは正直な気持ちだ。

そんでこの映画の素晴らしいところは、時には愛する人を傷つけてしまう変態の人々も最終的に幸せになっているというところ。殆どの登場人物がポジティブな未来を与えられているところが非常によかった。

卒業アルバムとかによくある「クラスの変態ランキング( ͡ ͜ ͡ )」くらいなレベルの変態性って、本当の変態からしたらもはや無個性に近くて、私もこの映画に登場してもおかしくないような「変態」なんだけど、そんな私でもハッピーになれた。そのことが凄く嬉しい。
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