すずき

ザ・フォーリナー/復讐者のすずきのレビュー・感想・評価

ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)
3.3
ジャッキー・チェン版「96時間」かと思いきや、ちょっと期待してたのとは違った。
ジャッキーが主人公の復讐ストーリーっていうよりも、ピアース・ブロスナンが主人公の、曲者ぞろいの社会派ミステリーといった所か。

テロリストと政治家の関係、イギリスとアイルランドの関係、男と女の関係が騙し騙され複雑に入り組んでる状況に、イレギュラーのジャッキー・チェンが引っ掻き回す。
でもクライマックスまで、ジャッキーのやってることは「犯人を知っているであろうピアースにひたすら粘着」という地味なもの。地味っつても、潜入して爆破したりボディーガード相手にゲリラ戦仕掛けたりしますが。
事件の捜査はあくまでジャッキーと関係ない所で進展してる、ってのがなんだかなあ。
やっぱり、映画のすべての中心で動いてるのがピアースなんだから、そっちが主人公だな。
ジャッキーのシーン減らして、主人公じゃなくてジョーカーキャラに徹した方が全体の纏まりは良かったのかもしれない。

肝心のアクションは、やはり60代とは思えない動きで結構良かった。
でも、もっと殺意に満ちた攻撃をするものかと思ってたけど、先述のようにクライマックスまでは復讐とは無関係のボディーガード相手だから、バイオレンス強めとは言え、そこまでメチャクチャにはしない。

社会派ドラマ部分も、(現実世界での)アイルランドのテロリストと政治家の関係とか詳しくなかったから、そこらへんイマイチ入り込めなかったなー。
「イギリスとアイルランドがバチバチやってるんでしょ?」程度の社会認識では難しかった!